未婚率が高い現在の日本には独身の高齢者が多く、不動産を持っていても法定相続人がいない人は少なくありません。
法定相続人のいない不動産は最終的に国庫に帰属されますが、帰属するまでは管理する人が必要であり、のちのち受け取るべき人が現れる可能性もあります。
この記事では、法定相続人がいない場合の不動産がどのような手続きにより国庫に帰属されるか、どういった終活が効果的かを詳しくご紹介いたします。
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弊社へのお問い合わせはこちら法定相続人が不在となっている状態とは

法定相続人の不在は、主に3つの状態が挙げられます。
●1.配偶者や子など法定相続人がいない
●2.法定相続人はいるが相続放棄している
●3.法定相続人はいるが相続欠格や相続排除に該当する
法定相続人が不在ならば、所持している不動産など財産は遺言にのっとり遺贈されたり、特別縁故者へ財産分与されます。
それでも財産を受け取る人がいない場合は、最終的に国庫に行きつくことになります。
まずは相続人不在の状態を一つずつ確認していきましょう。
1.すでに法定相続人がいない
「法定相続人」とは、配偶者や子など民法で定められた相続人を指します。
常に相続人となるのは配偶者であり、第1順位として子が当てはまります。
子がいない場合は被相続人の親(第2順位)で、親がいない場合は被相続人の兄弟(第3順位)が相続人に。
法定相続人がすでに亡くなって不在の場合、代襲相続として被相続人の甥や姪、孫が法定相続人となる場合もあります。
基本的には配偶者や子がおらず、すでに親・兄弟が亡くなっている場合は法定相続人がいない状態といえるでしょう。
2.法定相続人が全員相続放棄している
法定相続人がいても全員が相続放棄した場合は法定相続人不在となり、不動産は国庫に帰属することになります。
多くは財産以外に借入金や債務が被相続人に残っている(と思われる)場合におこるケースですが、債務がなくても全員相続放棄する原因となるのが不動産です。
不動産の相続は相続人が多いほど煩雑になるため、法定相続人からは「負の遺産」ととらえられ相続放棄となるケースも多く見られます。
ただ、全員が相続放棄して相続人放棄となっても、不動産の管理責任は法定相続人に残り続けるため、不在といえど適切な管理が必要になります。
3.法定相続人の欠格・排除・行方不明
法定相続人の欠落・排除は、被相続人に対し自分に有利な遺書を書かせたり、殺害するといった相続人が当てはまります。
排除は法定相続人に虐待や重大な侮辱をされたなどの場合で、被相続人が生前に家庭裁判所に申し出ることで相続権をはく奪する効果があります。
欠落は遺言書の偽装や隠匿などが重大な問題が当てはまるため、被相続人の意思がなくても自動的に相続する権利が失われます。
そして最後の法定相続人が行方不明の場合ですが、これはただ法定相続人の所在が不明であるのみでは不在とはなりません。
まず行方を調査して見つからなかった際、行方不明者の代わりに財産管理を担当する人を立てるか相続人が死亡したとみなす失踪宣告を申し立てることで、相続人不在の状態といえます。
法定相続人が不在の場合の手続き

法定相続人不在の場合でも、遺言書があれば個人や団体など第三者に財産を残すことが可能です。
もし遺言書がなく相続人の有無も不明であれば、被相続人の利害関係者が家庭裁判所へ申し立てて「相続財産管理人」を選出し、のちの手続きを任せることになるでしょう。
相続財産管理人がいることで、のちに法定相続人や被相続人と深いつながりのあった特別縁故者が現れた際などに適切な財産分与がおこなわれます。
相続財産管理人を選出する手続きと管理の流れ
●1.利害関係者が家庭裁判所にて相続財産管理人を選出
●2.被相続人の死亡を公告し相続人を探す(約2か月)
●3.公告で債権者や財産を受け取ることになっていた人を探す(約2か月)
●4.公告で相続人となるべき人を探す(約6か月)
●5.相続人がいない場合は特別縁故者からの申し立てを受け付ける(3か月以内)
●6.申し立てがない場合は国庫に帰属される
おおまかな流れですが、債権者や相続人を探し最終的に国庫に帰属されるまでの手続きを担うことが相続財産管理人の役割です。
手続きの際に相続人が現れたら財産はすべて相続されますが、特別縁故者の場合は財産分与となるため残りは国庫に帰属されます。
特別縁故者が不動産を取得するタイミング
法定相続人がいる場合は原則として、特別縁故者は財産分与の対象となりません。
特別縁故者とは、被相続人と同一生計にあった内縁の配偶者や療養看護に当たった人など、特別な関係であった人が当てはまります。
しかし相続人が不在である場合、特別縁故者は上記でいう5のタイミングで財産分与を受け取ることが可能です。
この手続きを踏まなければ特別縁故者は財産を受け取れないため、もし特定の人に財産を遺したいならば終活として遺言書を作成し意思を伝えましょう。
相続財産管理人に関する期間と費用
国庫に帰属されるまでは何度も公告をおこなうため、相続人が見つからない場合は1年以上の期間を要することも珍しくありません。
費用に関しては申し立て手数料として収入印紙800円分、官報公告費用に4,230円がかかります。
また、相続財産管理人への報酬は基本的に相続財産から支払われますが、もし財産が少なく不足分が発生する場合は数十万~百万円程度の予納金が発生することも。
法定相続人の不在を考えた終活

法定相続人が全員相続放棄しても、被相続族人の財産に不動産がある場合は空き家として放置せず、相続する人が現れるまで自分たちで管理する必要があります。
もし法定相続人が相続放棄したのちに不動産を売却すると、財産に変更をくわえたことにより相続とみなされます。
そのため、一度放棄したら不動産の管理は相続財産管理人の選出まで続けなくてはなりません。
しかし選出にかかる予納金の不足は申立人が負担するため、不動産以外に残された財産がない場合は負債となり、誰も申し立てないケースも多々見られます。
放置状態を防ぎ不動産を活用してもらうためには、終活としてあらかじめ遺言書を作成したり不動産を現金化しておくなど、なるべくその後の手続きをなくしておくことも終活において大切なポイントです。
遺言は問題を残さないための大切な終活
不動産は現金のように簡単には分けられないため、財産として所持しているなら誰に贈るのかをしっかり明記することで放置を防げます。
法定相続人以外の個人や団体への寄附といった指定も可能で、遺贈を受けた人は放棄することもできます。
ただ法定相続人がいる場合、遺言により第三者でも相続が可能ですが、財産のすべてを相続するなど法定相続人の権利を侵害することはできません。
不動産を現金化するメリット
遺言書の作成も住まいの終活として効果的ですが、法定相続人が健在ならば相続放棄されない終活として、先に現金化することがおすすめです。
不動産のままであれば、のちの手続きやマイナスの面を考えて相続放棄し法定相続人不在となるところ、すでに現金化されているならばそのまま単純承認される可能性が高まります。
まとめ
法定相続人不在の不動産は、利害関係者により相続財産管理人が申し立てられたのち最終的に国庫に帰属します。
それまでの手続きは期間が長く金銭的にも負担になるため、不動産をスムーズに第三者に遺贈したい場合は、住まいの終活として早めに遺言書を作成することをおすすめします。
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