不動産売却について相談するならどこが良い？

不動産売却するには、専門知識が必要になります。
そのため、個人で進めるには非常に難易度が高く、頭を抱えることになるでしょう。
そこで本記事では、初めて不動産売却する方のために主な相談先を3つご紹介しています。
基本的に、最初は不動産会社に依頼し、そのあと目的に合った場所を案内してもらうことになります。
将来土地を売ろうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

不動産売却の相談は不動産会社にしたほうが良い？

ひと口に不動産売却の相談といっても方法はさまざまです。
一般的に「不動産会社」「不動産鑑定士」「司法書士」が挙げられますが、目的に応じて選択肢は変わってきます。
まずは、不動産会社に相談できる内容や方法について解説します。

査定に関する総合的な相談をしたい

不動産で相談できることは、査定や内覧の立ち会いなど、売却に関するサポート全般になります。
そのため、税金や相続などの専門的な相談はできません。
不動産を売却するうえで、「どのように進めたら良いか分からない」という方は、まず不動産会社に相談したほうが安心だといわれています。
目的に合った相談先もご紹介してくれるので、はじめての方でも利用しやすいでしょう。

不動産会社で相談できること

先ほども述べたように、不動産会社では基本的に査定・内覧の立ち会い・売却活動・代金決済などのサポートをおこなってくれます。
もう少し分かりやすくご説明すると、「売却価格」「売却方法」「活用方法」です。
売却価格では、土地がどれくらいの価格で売れるのか査定してくれます。
無料で相談できるところが多く、初めての方でも依頼しやすいでしょう。
売却方法は、主に仲介と買取の2つに分けられます。
仲介を依頼することで売却の手間が省けるので、転売目的の売却なら非常に役に立ちます。
一方で買取は仲介よりも売却価格が安くなってしまいますが、そのぶん比較的早く売却できます。
「すぐに土地を売りたい」という方にはベストでしょう。
ちなみに、買取金額の相場は仲介と比べて70～80％になります。
最後に、「活用方法」です。
土地をどのように活用したら良いのか迷っている方にも不動産会社は適しています。
とくに活用が難しい土地（三角形・土地が小さいなど）は相談したほうが賢明です。
基本的に、不動産会社は相談のみなら無料で対応してくれます。
売却や借主が決まり、契約するまでは報酬の支払い義務は発生しませんので、それまでは自由に依頼できるでしょう。

不動産売却の相談は不動産鑑定士にしたほうが良い？

初心者なら、まずは不動産会社に依頼し、目的に合った相談先を案内してもらったほうが安心です。
では、「不動産鑑定士」はどうでしょうか？
不動産鑑定士とは、土地の正確な価値を知りたいときに役立ちます。
たとえば財産分与で揉めている場合や個人売買で土地の資産価値を証明したい場合などが挙げられます。
ここでは、不動産鑑定士で相談したほうが良い内容について解説します。

相談できる内容とは

先ほども述べたとおり、不動産鑑定士は土地の適正な価値を知りたいときに利用できます。
鑑定士が1か月程かけて入念に鑑定し、土地の価値を出します。
鑑定した結果は「不動産鑑定書（不動産鑑定評価書）」として証明されるため、土地の資産価値を主張できるようになります。
ただ不動産鑑定士はあくまで「鑑定」のみなので、鑑定した価格で必ずしも売却できるわけではありません。
とはいえ、「これくらいの価値がある」と知っておくと売却時に役立つでしょう。
ちなみに、査定と鑑定ではかかる日数が異なります。
前者は3日～1週間程度、鑑定は2週間～1か月かかるといわれています。
それも想定したうえで相談するようにしてください。

不動産鑑定書とは

不動産鑑定書は、「不動産鑑定評価書」とも呼ばれています。
不動産鑑定士が不動産の価値を調査し、評価額や評価額が決まった理由などを書類にまとめます。
この書類は法的効力を持っているので、土地の資産価値をアピールするのに役立つでしょう。

不動産鑑定士に依頼する流れ

一般的な流れは、下記になります。

●不動産鑑定士へ依頼
●鑑定士が区役所などで情報収集する
●現地で実地調査をおこなう
●不動産鑑定書が交付される

依頼するには、不動産鑑定評価業務依頼書・固定資産税納税通知書・登記事項証明書・住宅地図・公図・地積測量図・道路台帳・上水道配管図・公共下水道台帳・ガス配管図などが必要になります。
また依頼費用として30万円程度がかかってくるので準備しておきましょう。
鑑定費用は、不動産評価額によって変わってきます。
相場は30万円程度ですが、30万円以上する場合もあります。
ただし、簡易鑑定なら20～30％程安くなるといわれています。
なるべく費用を抑えたい方は、法的効力はありませんが、簡易鑑定がおすすめです。

不動産売却の相談は司法書士にしたほうが良い？

最後に、「司法書士」へ相談した場合です。
同じ不動産売却でも、専門家に登記手続きをしてもらいたい場合は司法書士を選択しましょう。
訴額140万円以下の裁判に出廷する場合も、司法書士が適しています。
ここでは、司法書士へ相談する場合の方法や内容について解説します。

難しい手続きに最適

基本的に、司法書士は専門分野を担当してくれます。
土地を売却すると登記手続きが必要になります。
とくに住宅ローンの返済途中で売却する場合、完済後に「抵当権抹消登記」をしなければいけません。
抵当権とは返済を長期滞納したときに金融機関が不動産（担保）を差し押さえる権利のことで、個人でも手続きできますが専門知識が求められるため非常に難関です。
こういった専門分野の解決をしてくれるのが司法書士になります。
登記手続きは、抵当権抹消登記以外にも表題登記作成・所有権保存・抵当権設定登記などがあります。
当然ですが、訴額140万円を超える場合は司法書士よりも弁護士への依頼になります。
あくまで訴額140万円以下であること、登記手続きなどの専門分野であれば司法書士が適しているでしょう。
弁護士になってくるとトラブルの解決が主になるため、また依頼内容が変わってきます。

所有権移転登記の代おこなが可能

所有権移転登記を自分でおこなうには、登記申請書を法務局に提出することになります。
知識があるなら個人でおこなっても良いですが、初心者でできる方はほとんどいません。
そこで、司法書士の出番です。
所有権移転登記の代おこなをしてもらえるので、初めての方でも安心して依頼できるでしょう。
依頼には、本人確認書類（運転免許証・マイナンバーカード）・印鑑証明書および実印・登記済権利証または登記識別情報・土地の固定資産評価証明書・住民票のコピー・土地の売買契約書の書類が必要になります。

依頼費用はかかる？

不動産会社は無料で相談できますが、不動産鑑定士や司法書士は「依頼費用」がかかってきます。
司法書士は相場が決まっていないため場所によって変動しますが、だいたい3万円程度かかかると考えておくと良いでしょう。
ちなみに、所有権移転登記なら4～6万円程度、抵当権抹消登記なら1～3万円程度となっています。
自身が住んでいる地域の平均報酬額を知りたい方は、「司法書士会連合会」のホームページで確認してみてください。

まとめ

不動産売却の方法は、不動産会社・不動産鑑定士・司法書士以外にもさまざまな選択肢があります。
今回は前述した3つの相談先をご紹介しましたが、目的に合った場所を選ぶことが大切です。
「何から進めたら良いか分からない」という方は、まず不動産会社から依頼してみると良いでしょう。