相続財産が一定額を超えた際に発生する相続税。
相続する予定の財産に不動産が含まれている場合、相続税の計算は現金のみのときよりも複雑になります。
もし自分が不動産を相続することになった場合に相続税はいくらかかるのか、事前に概算を出してみましょう。
この記事では、不動産にかかる相続税の計算方法や相続税を申告するまでの注意点、節税方法などを詳しくご紹介いたします。
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相続税がいくらかかるのかは「(課税対象の財産金額-控除額)×相続税率」により算出され、相続財産が不動産のみの場合でも変わりません。
まずは、自分が相続税を払う対象となっているか確認しましょう。
相続税にかかる基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の式で計算します。
法定相続人が自分一人の場合は3,600万円まで、二人であれば総額4,200万円が基礎控除額となり、すべての相続財産金額がそれ以下であれば相続税がかからないことになります。
相続税の計算例と控除・税率について
今回は法定相続人である子が一人であり、財産は相続税評価額5,000万円の不動産のみであることを想定していくらになるか計算します。
5,000万円-3,600円=1,400万円が課税対象の取得金額で、1,400万円×税率15%-控除額50万円=160万円が実際に払う相続税と計算できました。
この税率と控除額は控除後の金額により変動します。
たとえば、取得金額が1,000万円以下だった場合税率は10%であり、控除額は0円。
取得金額が3,000万円以下だった場合税率は15%であり、控除額は50万円といったように式に当てはめましょう。
税率と控除額は国税庁のホームページにてすべて確認できます。
土地・建物の相続税評価額を算出する
相続税の計算するためには、式に当てはめる相続税評価額を出しましょう。
土地の相続税評価額は基本的に、路線価方式である「土地1㎡あたりの価格(相続税路線価)×土地の面積」でいくらになるか決まります。
相続税路線価がない土地では、固定資産税評価額と地域ごとに定められた倍率をかけあわせる倍率方式によって相続税評価額が算出されます。
土地1㎡あたりの価格も国税庁のホームページにて確認できますが、固定資産税納税通知書さえあれば概算として「固定資産税評価額÷0.7×0.8」で算出する簡便法が便利です。
建物の相続税評価額は固定資産税評価額と同じ額であり、土地よりも簡単に判明します。
構造・築年数で変化するため、毎年届く固定資産税の課税明細書や役所にて確認しましょう。
相続人が複数いる場合の取得金額はいくらか
先ほどの例では法定相続人が一人と仮定したため、算出された相続税評価額をそのまま相続財産金額として計算できました。
両親や兄弟など自分以外の法定相続人がいる場合はさらに計算が複雑になり、それぞれの取得金額がいくらであるか計算する必要があります。
法定相続分で考えると、被相続人の配偶者は相続税評価額の1/2を取得し、子がいる場合は残った1/2を子の人数で割った数字が取得金額です。
たとえば、相続税評価額が1億円であり被相続人の配偶者と子2人が相続する場合、まず1億円に基礎控除である4,800万円を引いて5,200万円。
そして配偶者が半分の2,600万円、子2人は1,300万円ずつの取得金額となり、税率と控除額とともに式に当てはめます。
●配偶者:2,600万×15%-50万=340万円
●子:1,300万×15%-50万=145万円×2人
合計金額である630万円を実際の遺産取得割合で分けると、法定相続分であれば配偶者が50%の315万円、子が25%ずつの157.5万円と相続税が出ました。
また、配偶者は特別控除により相続財産が1億6,000万円以下の場合、相続税が課税されません。
不動産にかかる相続税の節税対策

相続財産が不動産のみの場合は節税が難しいため、合計取得金額が高額になる場合はあらかじめできるところから節税しましょう。
相続税の節税には生前贈与や生命保険の受取人変更などさまざまな方法がありますが、不動産の場合は「小規模宅地等の特例」が利用しやすくおすすめです。
小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例は被相続人と同居していた家族向けの節税対策で、申請対象は配偶者や同居親族などが当てはまります。
名前のとおり家が建っている土地に限られますが、居住用だけでなく事業で使っていたり人に貸していた土地でも適用されます。
居住用の土地で適用された場合、上限面積は330㎡で、最大80%まで評価額を下げるので、当てはまるならば早めに申請しておきたい特例です。
また、この特例は土地の相続税評価額を下げるものであり、建物の評価額は減額されません。
その他生前できる節税対策
住宅関連では小規模宅地等の特例のほか「住宅取得等資金の贈与税の特例」が節税対策として挙げられます。
これは被相続人が子・孫(20歳以上限定)へ住宅資金を贈与する際、一定額が非課税になる特例です。
令和3年12月31日までは省エネ等住宅で1,000万円、普通の住宅で500万円が非課税になります。
※住宅取得に消費税10%が含まれる場合は省エネ等住宅で1,500万円、普通住宅で1,000万円が非課税対象
不動産を相続する際に知っておきたい注意点

慣れない相続で遺産分割協議のトラブルや申請の漏れも出てくるかもしれません。
相続税がいくらになるか概算がでたところで、事前に流れや注意点も一度確認しておきましょう。
不動産相続税を申告する流れ
遺言書を確認し法定相続人の確定が済めば、相続財産の調査に移ります。
不動産のみだと思っていても調査により株式や預貯金が見つかることもありますが、同時にカードローンや税金の未払いが見つかることもあるため、時間をかけてでも調べましょう。
財産の内訳が判明次第、遺産分割協議に移り、不動産の相続登記もおこなわれます。
相続登記は遺産分割協議書が必要ですが、相続人が一人である場合は不要です。
登記が終われば、最後の大仕事である相続税の申告に移ります。
相続税申告・納付の期限と注意点
相続税がいくらであったかの申告と実際に相続税を支払う納付は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内と定められています。
10か月以内に申告しなかった場合は「無申告加算税」として相続税の5~15%が課税されます。
ここで注意したい点は、申告しても納付が遅れれば「延滞税」により課税されてしまうため、期限内に払えない場合は延納や直接不動産で納める物納も検討しましょう。
災害など特別な理由なく申告が遅れると、小規模宅地等の特例などが使えなくなりさらに納税が困難になります。
よくある遺産分割協議のトラブル
遺産分割協議のトラブルは、特に不動産が相続財産としてある場合に起こりやすいといえます。
たとえばよくあるトラブルとして、複数の相続人がいるため不動産をうまく分割できないケースが挙げられます。
簡単に分割できない土地は、文筆で複数の相続人が所有する方法などがありますが、一番スムーズな方法は不動産を現金に換える換価分割です。
しかし不動産の複数人所有は、実際に居住しない人にとっては不均衡に思えるかもしれません。
その場合は実際に住む人がほかの相続人に現金を支払う方法もあります。
これらのトラブルは遺言書があることによって解決する可能性がぐっと高まります。
事前に家や土地を誰に渡すかなど、被相続人の生前に話し合いをしておくことが一番のトラブル回避になるでしょう。
まとめ
相続税は生前の節税対策や特例によって大幅に減額できる可能性が高いです。
土地・建物の相続税は固定資産税の通知から概算が出せるため、一度いくらになるか計算してみてください。
法定相続人が複数いる場合は不動産の分割によるトラブルを回避し、スムーズな申告を目指しましょう。
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