太陽光発電を設置している家を売却するには？高く売却する方法とコツも解説

太陽光発電を設置した家をお持ちの方は、売却する方法がわからず、お困りの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、太陽光発電を設置した家の売却方法をお伝えします。
一般的な住宅と異なる点もあり、コツが必要です。
また、通常の物件よりも高く売る方法もありますので、参考になさってください。

太陽光発電を設置した家の売却価格は高くなるのか？

太陽光発電は設置してから10年が目安？

一般住宅向けの太陽光発電に関わる設備のメーカー保証は、多くの場合10年から15年です。
そのため、設置して10年未満の装置は保証期間内のため、故障の心配もありません。
その上、発電する能力も十分にあるため、需要が多く、高く売れます。
太陽光発電を設置した家の魅力は、売電収入が期待できることです。
すでに廃止になったFIT（固定価格買取制度）ですが、2019年の廃止までに適用を受けている場合は、指定を受けてからの10年間がFITの適用期間になります。
住宅を購入した方は、売電契約の名義変更をおこなうとFITの利用も継続できるため、売電する権利もいっしょに買い取ることが可能です。
つまり、家の売却価格に太陽光発電装置や付随する権利を上乗せしても売れるため、一般的な物件よりも高額な売買契約の成立が見込めます。

設置してから10年を経過した物件は高く売れない？

10年を経過すると、メーカーの保証期間は切れ、FITによる電力の買取りはありませんが、自動継続の手続きをおこなうと新たな価格での取引は可能です。
小売電気事業者に売電する道もあり、収入は減ってもゼロ円にはなりません。
売電をおこなわないときは、無料で一般送配電事業者が引き取るかたちです。
とはいえ、家庭用蓄電池付きの設備であれば、自宅で効率よく利用できます。
蓄電池は発電した電力を蓄える装置であり、発電した電力を無駄なく利用するためには欠かせません。
停電が発生しても自宅の電力はまかなえるため、設置して10年を経過した物件でも、太陽光発電だけの物件よりも高く売却できます。

高性能住宅は高くなる？

太陽光発電以外に、省エネ住宅（エコ住宅）やゼロエネルギー住宅（ZEH）、長期優良住宅なども、売る際の価格は通常よりも高くなる物件です。
付加価値の高い住宅として、査定に上乗せがあるからですが、売り手は、住宅の建築費用を回収したい思惑もあります。
買い手も、光熱費を安くできるメリットもいっしょに購入できるため、維持費がかからない分、多少高額であってもできれば購入したいと思う物件です。
そのため、太陽光発電に省エネ設計など付加価値を高めた物件は、さらに売り出し価格を高く設定できます。

太陽光発電のある家を売却する方法とは？

そのまま家ごと中古住宅として売る方法と手続きとは？

太陽光発電設備ごと売る方法は、時間も費用も節約できる売り方ですが、設置のためのローン完済が条件です。
買い手が気に入っている場合は、迷わず売りましょう。
とくにFITの新規申し込みはできないため、適用中の物件は外さないほうが高く売れます。
また、設備ごと売るときは、発電設備に関する手続きが必要です。
システムを設置する際に国の補助金を受けた場合、17年経過していないと法定耐用年数を満たさないため、「財産処分承認申請」をおこないます。
市町村や都道府県など自治体の補助金を活用した場合も手続きをしますが、不動産の名義を変更する前に済ませます。
補助金によっては返納しなければならないため、事前に確認しましょう。
この他の手続きは、売電契約の契約者と受取口座の変更です。
電力会社との間で締結した売電契約は、売電収入発生時の契約者が受け取れるようにします。
経済産業省への名義変更の届出は、通常買い手がおこないますが、売り手の添付書類も必要ですので、協力しましょう。

設備を移設して手放す方法を解説

次の住まいでも今の設備を利用したい場合は、取り外して移設することもできます。
その際、取り外しと移送、再設置などの移設作業と、取り外した屋根などのリフォーム工事をしなければ、住宅は売却できません。
すべて売り手が費用を負担しておこなうため、かなり高額になります。
しかも、屋根と一体化していない設備でなければできませんし、移設先の設置許可も事前に取得するなどの条件をクリアした物件のみ利用できる方法です。
とはいえ、現在よりも日当たりがよく売電収入が期待できる場合は、取り外しなどの工事代金の見積もりを確認してから判断しましょう。

発電設備だけを解体して売る方法をご紹介

発電設備が10年以上経過している場合やメンテナンスに費用がかかる、発電量が落ちている場合は、設備を解体して家を売ります。
その際、取り外しと解体処分を取り付けた業者に相談しましょう。
同時に、屋根のリフォーム工事代金も発生することも忘れないようにします。
しかし、停電のリスク回避に、発電システムに魅力を感じる買い手もいるため、住宅の売却手続きを依頼した不動産会社に相談してからでも遅くありません。

太陽光発電のある家を売却するコツをご紹介

収支データから売電収入や維持費の明確化

売電収入と維持費を明示すると、物件の資料として役立ち、購入意欲の刺激と売り手に対する信頼を高めるために有効です。
できれば、過去1年間の発電量や売電収入の実績を提示し、季節による変動なども把握できる資料にしましょう。
とくに、買い手が太陽光発電システムを利用した経験がない場合は、「発電設備があれば売電収入でもうかる」と思い込んでいます。
しかし、実際には固定資産税や保険料、定期点検やメンテナンス費用など支出が多いことを伝えて、冷静な判断を促しましょう。
また、過去に発電設備を利用していた方には、具体的な数値で家によって発電量が異なることを示すことが重要です。
さらに、データを提示する際は、過去のメンテナンス履歴を添えることがコツになります。
購入後に不具合が生じた際、修理の資料として活用できるからです。

蓄電池をセットして効率よく使えることをアピール

発電設備に蓄電池を組み込んだシステムは、発電した電力を効率よく利用できるため、購入希望者を増やせます。
発電設備だけよりも売却価格を高くできますが、購入費用もそれなりに高額です。
損をしない価格設定にすることがコツになりますが、データも提示して、電力の有効活用ができることをアピールしましょう。

メンテナンスをおこなって購入した年の費用を肩代わり

発電システムは、清掃や定期点検、保険料などで年間の維持費は20万円程度かかります。
そこで、メンテナンスをおこなって、購入した年の費用をゼロ円にすると、早期の売買契約が可能です。
もちろん、メンテナンスにより故障のリスクを低減でき、システムの長期利用につながります。
買い手は、家の購入で維持費を節約したいと思っているので、事前に点検や修理が済ませてれば安心です。
発電システムのメーカー保証は購入から10年ですが、法定耐用年数は17年になっています。
10年未満のシステムを売る場合は問題になりませんが、10年以上経過した設備では、購入する側も発電能力や湖沼リスクへの信頼は高くありません。
そのため、メンテナンスをおこなって法定耐用年数まで十分に稼働できるようにすることが、太陽光発電設備がある家を売るコツになります。

まとめ

太陽光発電システムを設置した家は、通常の家よりも高く売ることができます。
売却する際は、そのまま売る他、取り外して移設するまたは解体する方法も可能です。
太陽光発電がある家を売る際は、収支データの提示やメンテナンスをおこなって不具合を解消し、設備と売り手への信頼を高めることがコツになります。