不動産を売却した際は、売却によって得た利益に対して税金が発生します。
しかし、場合によっては損失が発生する可能性もあるため、必ずしも利益になるとは限りません。
税金には種類によって控除や特例が受けられるため、これらをうまく活用し節税対策につなげていきましょう。
そこで今回は、不動産売却における売却益についてご説明したうえで、計算方法や節税方法について解説します。
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売却益は、売却時に発生した利益がすべて対象となるわけではありません。
不動産の売却価格から、売却時にかかった諸費用を差し引いた差額分の利益のことを言います。
不動産の売却益は税法上「譲渡所得」として分類されます。
「所得」と付くものは10種類あり、よく耳にするのが給与所得や事業所得ですが、譲渡所得もそのひとつです。
また、10種類のなかには「不動産所得」というものもありますが、これは賃貸収入によって得た所得のことを言います。
譲渡所得と不動産所得では意味合いが違ってくるため注意が必要です。
税金が発生する
売却益には税金が課せられます。
この税金のことを「不動産譲渡所得税」と言い、所得税の一部ではありますが、給与所得とは区分されているのが特徴です。
また、不動産所得は所得税だけでなく、住民税もあわせて納付しなければなりません。
このうちの所得税には、東日本大震災の復興支援として「復興特別所得税」が上乗せされています。
確定申告が必要
売却益が発生すると不動産譲渡所得税が課せられますが、固定資産税や自動車税のように毎年税額が通知されるわけではありません。
不動産を売却した翌年に、確定申告で納付する仕組みです。
また、不動産を売却し損失が発生した際も、損益通算によって節税対策にもつながるため、確定申告はしておくことをおすすめします。
損益通算とは、損失が出た場合でも確定申告をすることで、翌年以降の利益から差し引かれることを言います。
なお、確定申告は毎年1月1日から12月31日までに発生した所得に対しおこなうもので、申告期間は翌年の2月16日から3月15日までです。
この申告期間を過ぎた場合は、無申告加算税というペナルティが課せられるケースもあるため注意が必要です。
不動産売却における売却益の計算方法とは

譲渡所得を表す「課税譲渡所得金額」の計算方法を確認してみましょう。
課税譲渡所得金額は、「売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除」の計算式によって求めることができます。
売却価格より「取得費」「譲渡費用」「特別控除」の合計額が多い場合は、課税譲渡所得金額に税金は発生しません。
取得費とは
取得費とは、不動産を取得する際に発生した各種費用のことを言います。
具体的に取得費として計上できるのは、土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料、設備費や改良費などが該当します。
土地の場合は、購入代金が取得費としてそのまま加算されますが、中古物件の場合は減価償却費を差し引かなければなりません。
建物は土地と異なり、経年劣化が起こるため、消耗部分を換算し差し引くことを「減価償却」と言います。
減価償却費とは
減価償却費は、「建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数」で求めることができます。
償却率は、建物の構造や耐用年数によっても異なるため注意が必要です。
たとえば、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造では、償却率0.015となり、レンガ・石・ブロック造では0.018、木造では0.031と決められています。
実際に、購入価格5,000万円の木造住宅、経過年数が23年の場合の減価償却費を計算してみましょう。
5,000万円×0.9×0.031×23年=3,208.5万円というように求めることができます。
譲渡費用とは
譲渡費用とは、売却活動の際に発生した費用のことを言います。
具体的には、仲介手数料や印紙税、立退料、取り壊し費用などが該当します。
しかし、具体例は一部であり、実際は多数あるうえ取引ごとに内訳も異なるため、何にいくら発生したか正しく把握しておくことが必要です。
譲渡所得税とは
譲渡所得に対しても「譲渡所得税」が発生します。
しかし、売却益が出なかったり、逆に損失が出たりした場合は譲渡所得税は発生しません。
譲渡所得税は、「不動産売却益×税率(所得税+住民税+復興特別所得税の各種税率)」の計算式で求めることができます。
また、所得税や住民税の税率は不動産を所有していた期間によって異なり、5年を越える場合は「長期譲渡所得」として20.315%、5年以下の場合は「短期譲渡所得」として39.63%となります。
不動産売却における売却益の節税方法とは

節税のポイントとしては、譲渡所得をいかに抑えられるかが重要となりますが、所得費や譲渡費用を多数計上したとしても、限界があるでしょう。
そこで、特例や特別控除を活用して節税する方法をご紹介します。
しかし、特例や特別控除の適用条件を満たしていたとしても、自動的に適用されるわけではなく、自分で申請しなければならないため注意が必要です。
まずは、売却益が出た場合に利用できる控除からご紹介します。
マイホームの3,000万円特別控除
自宅売却で一定の条件を満たしている場合は、譲渡所得に対し3,000万円の特別控除が適用されます。
自宅であることが条件となり、居住しなくなってから3年を経過する年の12月31日までの期限付きにはなりますが、住んでいない自宅でも適用対象です。
条件を満たしたうえで確定申告をすると、特別控除が適用されるため節税対策となるでしょう。
相続空き家の3,000万円特別控除
相続により取得した家や敷地の売却で利用できる特例です。
相続後、空き家となった家で平成28年4月1日から令和5年12月31日までに売却した物件に対し、最大3,000万円控除することができます。
マイホームの特例とは別物で条件も異なるため、条件を満たしているかチェックしておきましょう。
所有期間10年越えの軽減税率の特例
売却年の1月1日時点で、土地と建物の所有期間が10年を超えている場合は、長期譲渡所得の税率がさらに軽減できるという特例です。
この特例はマイホームの特例と併用可能で、特別控除を利用しても課税対象がある場合はあわせて適用することができます。
続いて、売却損が出た場合に利用できる控除についてご紹介します。
マイホーム買い換えによる譲渡損失
1つ目は、自宅の買い換えにより利用できる「マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。
売却した住宅と買い換える住宅に対し面積の制限があります。
また、一定の条件を満たした住宅ローンを借りる必要があります。
特定のマイホームによる譲渡損失
2つ目は、買い換えをしなくても利用できる「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」です。
売却した自宅に、住宅ローン残高が残っていることが条件となります。
また、自宅の売却価格がローン残高を下回る「担保割れ」の状態である必要があります。
まとめ
売却益とは、不動産の売却価格から、売却時の諸費用を差し引いた利益のことを言います。
「売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除」によって求めることができます。
利益が出た場合は、3,000万円特別控除などが活用でき、損失が出た場合でも、マイホーム買い換えや特定のマイホームの特例が活用可能です。
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